ギフト。

2006年8月23日記載。
文面変更なし。画像追加。





二日前に佐々木さんから電話があり、
火曜、水曜と連休だからアンプにラッカー塗らないか?と誘われた。
実は何ヶ月か前から、あとやる事はラッカーを塗る事だなって言われてたんだ。
俺としてはラッカーを塗るとどうなるかなんて想像できなかったし、
今の音に満足しているから正直やる気はなかった。
でも、今回は佐々木さんの中で確実にやる事が決定してたな。
そんなごり押しに負けて、じゃあやってみますかって感じで始めた、
男3人の日曜大工ならぬ火曜大工。

今回のゲストは佐々木さんと一緒にバンドをやっている中村さん。
佐々木さんから俺のアンプの音を聞いてみろって言われていたみたいで、
この火曜日という日に中村さんの休みが合ったので参加という形。
それがよかったのか、悪かったのか。
中村さんにとってはかなりキツい日になったと思う。
というのも仕事柄、塗装に慣れているために、
俺と佐々木さんよりも塗装の塗り方が上手いという事で、
アンプの塗装を全てまかせる形になってしまった。
本当に申し訳ないです。




作業の工程として、まずは写真を見ての通りアンプに付いている全ての物を排除。
そこから前面にマスキング、フェンダーのプレートの部分もマスキング。
そしてラッカーの塗りをよくするためのスプレーをして放置。
それが乾いた頃にもう一度同じスプレーをして放置。
下地が全て乾いてからラッカー塗装の始まり。

一体何回のラッカーの塗装をやっただろうか。
大体20分おきぐらいに塗装して乾燥するのを待ち、
また塗装するというのを繰り返す。
その出来を佐々木さんに見てもらってダメならそれを繰り返す。
結局、昼の3時から始まり夜の12時までかかった…



しかし、今回のラッカー塗装にあたって、
中村さんがいなかったらどうなっていた事か。
中村さんの塗装は本当に丁寧なやり方だった。
1回で厚めにベッタリと塗るのではなく薄く塗り、
塗装の始まりは物からではなく、
物の手前からそのままの量で一気に噴き流す感じ。
なので塗装にムラなく薄く膜を作っていくやり方。
俺や、佐々木さんはそういう事がわからないから、
1回でベッタリ塗ってムラになり失敗していただろう。
本当に中村さんには感謝です!

(ブルースデラックスの基盤)

ここで中村さんの職場を紹介して、
売り上げに貢献したい所だけど、
本人から仕事場は書かないでくれと言われたので書きません。
でもちょっと書いておく。車関係の接客の場所。
中村さんは本当にいい人だし、
色んな事を話してみたら俺や佐々木さんと同じく、
自分で試した知識を持っている人で、実体験豊富だから、
商品知識だけじゃなく使った時、その物自体を知っている人。
やっぱり商品を知っているだけでは意味が無いし、説得力にかける。
職場だけでなく自分で色んな事をやった人はやっぱり強い。
車関係の事は中村さんの所へ!
これだけじゃわからんか。
秋田市のオレンジ色の所だ。黄色い所ではございません。
ついでに新国道の方だったかな~。
ほとんど場所を特定しているけど、まぁありでしょ。
それぐらい信頼のおけるお方です。

それで本題のラッカー塗装を終えたアンプなんだけど、
最初の考えでは2日間にわたり塗装をやる予定だったんだけど、
思ったよりも乾燥が早かったのと、
音を出したいという事で早速組み込んじゃった。
佐々木さんは今日はちゃんと乾燥してないから音は出さないって言ってたのに、
一番音を出す気満々だったな。

音を出した結果としてはもの凄い!
音量は今まで以上に出て音圧感が出た。
でも俺は最初とまどった。
前出ていた低音が出てこないんだけど、違ういい所が出てきている。
アンプの箱の鳴り方、空間の出方も変わった。
全体のバランスとして良いと言うべきなのか迷った。
でも、この結果に最初に気づいたのは佐々木さんだった。
弾きはじめた最初から佐々木さんは絶賛した。

俺が気づいたのは佐々木さんにギターを渡して、
その後もう一度自分で弾いた時だ。
弾いていくうちにこのアンプの凄さが出てきた。
本当に凄い!ギターのヴォリュームを絞っても、
レスポンスは素晴らしくトーンも絶品だ。
アンプという楽器になったという感じ。
ギターを弾くと素直に反応してくれる。
今までも反応は早くよかったんだけど、
今回ラッカー塗装をした事で楽器的な音、
極上のウーマントーンになったとでも言えばいいだろうか。
とにかく色気がハンパない。

ラッカー塗装によってどういう風に変わるかという疑問は解決できなかったが、
言葉では説明できないほどの音質の向上。
シールドとかで言えば低音、中音、高音が違うと言えるが、
今回の結果は感覚的なものだから言葉にするのはとても難しい。
でも、フェンダーのアンプや、他のメーカーでも、
高級なツイードアンプがラッカー塗装されている意味があるのはわかった。
見た目だけじゃない塗装。

そして1時くらいに弾きはじめて、
2時すぎに中村さんは帰ったが、
俺と佐々木さんは4時までギターを弾き続けた。
クセになる音、音に魅了される、アンプと会話する。
弾く事をやめる事ができない。
でも、まだちゃんとラッカーが乾燥していないから、
今の音はほんの序の口にすぎないはずだ。
ラッカーがちゃんと乾燥するのは3ヶ月後らしい。
実際に裏のパネルが前は異常に鳴っていたが、
今はまだ鳴っていない。
それなのに前以上の鳴り方。
末恐ろしいアンプだ。

佐々木さんは言った「これは天からのギフトだ」って。
今までやってきた全てがこれに詰まっていると。
俺もそうかもしれないと思う。
でもそれ以上に俺に与えられたギフトは、
今まで出会ってきた人全て、
今生き、運命と流れを与えられた事だ。

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